有事関連法案の衆院強行可決に抗議し、廃棄を求める決議

 有事関連法案が、5月15日、衆議院において、自民・公明・保守の与党3党にくわえて民主・自由の野党との協議の結果、審議不十分という多くの国民の声を無視し、可決された。私たちはこの蛮行に強く抗議する。
 くしくも沖縄が本土に復帰をして31年目の日である。沖縄は、悲惨な沖縄戦の歴史的体験、その後の軍事優先の米軍支配から、戦争につながるすべてのものを拒否してきた。沖縄戦では、「友軍」といわれた日本軍は決して住民を守らず、それどころか集団虐殺と最後まで住民を戦闘に巻き込み、多くの尊いいのちを奪った。学童疎開船「対馬丸」は、民間の船を軍が徴用したために爆撃され、子どもたちが犠牲になった。
 米軍支配の27年間は、「銃剣とブルドーザー」による土地の強制使用、布令・布告によって住民の人権は蹂躙され続けた。私たちはこの歴史を決して忘れない。
 修正案では、「国民保護法」を1年以内に整備するとし、あたかも人権を守るかのようにつくろっているが、それはまやかしでしかありえない。ひとたび戦争が起これば、人権などふっとんでしまう。
 政府は、イラク戦争や朝鮮民主主義人民共和国問題、テロ対策などを口実にしているが、有事法とは戦争法であり、アメリカの戦争に日本が協力するばかりではなく、自ら戦争のできる国になる危険な法律である。危機があるとすればさらに増長する危険な策動としかなりえない。
 戦争放棄の憲法に違反し、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の憲法の基本原則を犯すものである。
 先に強行成立した個人情報保護法も、結局はメディア規制など「国民の知る権利」を奪うものである。
 政府与党および一部野党の今回の行為は、歴史を逆戻りさせ、日本を再び戦争への道に進める許せない行為である。
 日本国憲法前文は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と謳っている。そして第9条に「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と宣言している。
 今、必要なのは、この日本国憲法を世界に拡げることである。武力によらない、人間の対話による平和外交を推進することである。
 私たちは、有事関連法の衆議院での強行成立に強く抗議するとともに、同法の廃棄を強く求める。  以上、決議する。

2003年5月17日

5・15平和とくらしを守る県民大会
 






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