テロ対策特措法の廃案を求める緊急抗議声明

 今臨時国会において、衆議院本会議は、10月3日、「テロ対策特別措置法」を2年間延長する改定法案を、自民・公明・保守新の与党3党によって強行可決した。
 私たちは、小泉内閣、政府、与党の憲法違反の行為を厳しく糾弾する。
 テロ特措法は、一昨年、国民的議論もなく、世論の反対を押し切って成立したものである。以降、日本政府は、海上自衛隊を恒常的にインド洋に派兵・配備させ、米英軍の海上のガソリン・スタンドとして支援してきた。これは日本国憲法が禁じる「集団的自衛権」の行使そのものである。さらに、イラク攻撃に参戦した米軍の空母にも燃料が補給されたことが明らかになっており、このことは「テロ対策特措法」すらも、ないがしろにする脱法行為であり、絶対に許されない。
 「テロ撲滅」「大量破壊兵器」を口実としてはじめた、米英によるイラク戦争は、テロ撲滅どころか、あらたなテロを生み出し、イラクやアフガニスタンばかりか、中東全体に拡大させる状況をもたらし、さらには世界中に拡大する懸念をもたらしている。「大量破壊兵器」も当初より、国連査察団が指摘してきたとおり、その存在は否定されている。米英によるイラク戦争の大儀はすでに崩壊している。
 しかし、小泉内閣は、「日米同盟」の優先とは名ばかりに、「米国追随」の姿勢をとり続け、有事関連3法という戦争法の強行立法、自衛隊をイラクに派兵する「イラク復興支援特措法」の強行成立させ、国際法に明確に違反する米国による「先制攻撃」を支援する極めて危険な動向である。
 このような状況の中で、さらにテロ対策特措法を延長させることは、際限なく自衛隊を海外派兵させることにつながる。しかも政府は、衆議院での審議の際、自衛隊の活動についての国会議員による調査などを「防衛秘密」を理由に拒むなどシビリアンコントロールすら形骸化させるものである。
 私たち沖縄平和運動センターは、いま日本に問われているのは、占領行為への参加ではなく、占領軍の即時撤退を求め、あくまでも国連やNGOを中心とした、イラク国民の立場に立った、人道・復興支援に大きな役割を果たすことであると考える。
 現在、参議院で審議され、明日10日には参議院本会議において採択される日程となっている今回のテロ対策特措法改定法案を参議院において廃案とするよう強く求めます。

 人間も社会も経済も文化も歴史も、すべてを奪い尽くされた58年前の悲惨で汚辱にまみれた沖縄戦の体験をとおして、一貫して「反戦・平和」を発信し続けてきた沖縄から訴え、すべての戦争政策に反対する取り組みを、今後も継続することを表明し、テロ対策特措法の廃案を求める緊急声明とする。

2003年10月9日

沖縄平和運動センター
議長 崎 山 嗣 幸
 




本ホームページの記載内容についての無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2005 OkinawaHeiwaUndouCenter. All rights reserved