米軍ヘリ墜落事故に対する抗議声明

 8月13日午後2時15分頃、沖縄国際大学構内に普天間基地所属のCH53型ヘリが墜落し、炎上・爆発するという恐るべき事故が発生した。
 平和センターは、一歩間違えば、阿鼻叫喚の地獄と化した今回の事故に対して、満身の怒りを込めて抗議し、糾弾する。
 かねてより、県民は市街地の中心部にある普天間基地の危険性を訴え、無条件全面返還を求めてきた。そしていみじくも日米両政府をして、「世界でも最も危険な基地」と言わしめ、SACO合意にまで至ったのである。
 宜野湾市民、そして県民は、いつ頭の上にヘリが落ちてくるかもしれない日常的な恐怖と不安の中で生きてきた。事故が起きたのは必然であり、市民・県民の人身に被害が及ばなかったことは偶然であり不幸中の幸いである。
 これまでも、墜落事故や不時着、燃料タンクなどの落下事故が起き、その都度、事故の徹底究明と再発防止が叫ばれながら、一時的な飛行中止などを県民だましの小手先の方策でかわされてきた。45年前の宮森小学校の大惨事から、何ら沖縄の状況は変わっていないことになる。
 県民の生命とくらしを守るため、普天間飛行場を一刻も早く無条件全面返還することしかないことを、あらためて宣言する。
 さらに今回の事故に際し、武装海兵隊員が市街地や大学構内に流れ込み、何の根拠もなしに、交通規制、報道管制をしたことに強く抗議する。まさに有事体制が何なのかを想起させる事態に、新たな恐怖を覚えるものである。沖縄県警は、毅然とした態度で米軍の事故隠蔽とも思える処理に、厳しく対処し、自らの責任で事故の全容を解明し、県民に明らかにすべきである。
 県民の生命を常に脅かす危険な基地は沖縄のどこにもいらない。よって日米両政府と稲嶺県政が進める辺野古への移設など基地の県内移設は認められない。
 稲嶺知事が主張する「15年使用期限」は、到底県民に受け入れられておらず、県民世論調査はつねに移設反対が多数を占めている。稲嶺知事がこれ以上の県民への我慢の押しつけを日米両政府と同調することは県民の代表として許されない。
 辺野古移設は、最低でも13年かかるとされており、現実的対応ではないことは誰の目にも明かである。
 沖縄の米軍基地は、イラクへの出撃基地でもあり、基地の機能・役割は強化されてきた。沖縄基地を中心とした演習も激化しており、事故の確率も当然高まっている。
 平和センターは、普天間基地の早期無条件全面返還と、辺野古への移設断念を強く求める。そしてすべての軍事基地の撤去を求める。そのため基地のない平和な沖縄を取り戻すため、先頭に立って闘うことを決意する。


2004年8月14日

沖縄平和運動センター
議長 崎 山 嗣 幸
 






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