沖縄平和運動センター第16回定期総会
07年9月20日 教育福祉会館大ホール


平和運動センター第16回定期総会が9月20日開催されました。

総会は司会の平和運動センター事務局次長の開会のあいさつで始まり、大会議長団に自治労、社民党の選出、総会運営委員に高教組、私鉄沖縄、全港湾、自治労が選出され、議事が進行しました。また、沖縄県原爆被爆者協議会副理事長の連帯あいさつを受けました。

一年間の活動を総括し、質疑にも活発な発言があり、会計監査報告では代表監査委員として全水道から報告を受けました。 今年度の方針として、護憲・反安保のとりくみ、教科書改ざんなど歴史の歪曲を許さないとりくみ、米軍再編に反対するとりくみ等の方針を決定。以下総会宣言、教科書検定アピール、スローガン採択が決議されました。

副議長の閉会あいさつ、議長のガンバロー三唱で第16回目の定期総会を閉会しました。


   
   
   
   


.
総会宣言

総 会 宣 言


  私たちはこの1年、戦前回帰を強め、『戦争のできる国』づくりに邁進する自公政府に抗して多くの取組みを展開してきました。とりわけ、『美しい国』づくり、『戦後レジームからの脱却』を標榜し、憲法改悪を振りかざして登場した安倍内閣との闘いは、平和運動センターの命運をかけた取組みとなりました。

安倍内閣は、昨年9月に発足するや否や、教育基本法改悪法案、憲法改悪のための手続き法案たる国民投票法案、防衛庁の省昇格法案を次々と強行成立させただけでなく、継続審議となっている共謀罪の成立、解釈改憲による集団的自衛権行使の強行を画策しました。

他方、米軍再編の関連では、在日米軍再編法案を強行成立させ、基地交付金を武器に、全国で湧き上がる新たな基地建設、基地の機能強化反対の声を押しつぶしてきました。

県内においては、今年4月25日、辺野古海域における違法な環境現況調査(事前調査)に踏み切り、5月18日には海上自衛隊の掃海母艦を辺野古海上に投入、県民を威圧する暴挙にでました。そして、去る8月14日には環境影響評価実施のための公告縦覧を強行しています。また、東村高江においては、高江区を取り囲むように6ヶ所のヘリパット建設工事が、沖縄防衛局(旧那覇防衛施設局)によって7月2日から強行され、建設に反対する住民が24時間体制の座り込み行動を展開しています。

さらに、これらの新基地建設にとどまらず、嘉手納基地には昨年10月にパトリオット・ミサイルが強行搬入され、暫定的とはいえ、去る2月、F22新型戦闘機が配備されました。深夜早朝の飛行訓練と相まって嘉手納基地周辺での爆音禍はさらに激化の一途をたどっています。他方、8月13日でヘリ墜落3周年を迎えた普天間基地の危険性は放置されたままです。また、与那国町祖納港には米軍艦船が強行入港し、宮古・八重山を含めた先島諸島全域の軍事利用が画策され、北東アジアにおける軍事緊張に拍車をかけています。

米国に追随し、日米同盟の強化を政権最大の課題とする小泉、安倍内閣によって、今や、戦争前夜のような事態が進行しています。それだけに、平和運動センターの行動も厳しい対応を余儀なくされています。しかし、私たちは、状況が厳しければ厳しいほど、組織に結集し、組織論議を尽くし、間違いのない方針の確立を図っていかなければなりません。そして県民と連帯して壮大な大衆運動を構築していくことが求められています。

7月29日に実施された参議院議員選挙に惨敗した安倍内閣は、9月12日、安倍首相の突然の辞意表明によって崩壊しました。現時点では、後継の総理総裁に誰が就任するかは定かでなく、またいずれにせよ、自公政治が大きく変化することは望みようがありません。状況を打開するためには引き続き私たちの運動の構築が求められているといえます。そのために、来週に迫った『教科書検定意見の撤回を求める9.29県民大会』の大成功を勝ち取るために組織の総力をあげて取り組み、そして、さらなる県民運動創造のために頑張り、闘い抜かなければなりません。

それゆえに、私たちは、今年の総会にあたり、加盟団体が一丸となり、より一層の団結を強め、さらには、平和団体、市民団体等との連携を図り、広範な県民と手を携えて、さらに強固な平和運動を発展させていくことを決意する。

以上決議する。

2007年9月20日
沖縄平和運動センター第16回定期総会
 
.
教科書検定アピール

高校歴史教科書への不当な検定意見の撤回を求めるアピール


  07年3月30日、来年度から使用される高校歴史教科書について、文科省が沖縄戦における集団死・「集団自決」について、「沖縄戦の実態について誤解する恐れのある表現」として修正を指示し、「日本軍による命令・強制・誘導」を削除、あるいは言及しないような表現にさせたことが明らかになりました。

沖縄戦における「集団自決」は、極限状況におかれた住民が「軍官民共生共死」の思想のもと、家族同士が殺し合うという悲惨なものでした。そこには皇民化教育に裏打ちされた軍の命令・強制・誘導があったことが沖縄戦研究や多くの生存者・体験者によって明らかにされました。とりわけ、第3次家永教科書裁判における最高裁判決「集団自決の原因については、日本軍の存在とその誘導」かつ「一律に集団自決と表現したり美化したりすることは適切でない」と明確に判示され、教科書記述としても定着してきました。

ここにきてその「集団自決」の記述から「日本軍による」という主語をなくすことによって沖縄戦の実相を曖昧にし、「軍隊の足手まといにならないために犠牲的精神の発露として住民自ら命を絶ったものであり『自発的な美しい死』であった」とする「新しい歴史教科書をつくる会」の動きと連動する政治的動きであると指摘せざるをえません。

昨年12月の教育基本法改悪に続き「国民投票法」、「米軍再編推進法」など全てが戦争への道につながり、「翼賛体制」と見まごうばかりの「政治状況」の中で「沖縄戦の実相」が否定され、「戦争できる国民づくり」の動きはますます加速しています。

憲法がかかげる、平和、人権、民主主義の実現をめざす歩みを根本から覆し、国家が教育に直接介入し「日本軍による南京虐殺や慰安婦問題、沖縄戦における住民虐殺や集団自決」を歴史から消し去ろうとしている一連の動きを何としても阻止する必要があります。

私たち平和運動センターに結集する仲間たちは、未来を担う全国の子どもたちにこのような内容の教科書がわたることを絶対に許すことはできません。

来る9月29日に開催される「教科書検定意見撤回を求める県民大会」を成功させ、検定意見が撤回されるまで県民とともに連帯してとりくんでいくことをアピールする。

2007年9月20日
第16回沖縄平和運動センター定期総会
 
.
総会スローガン

総会スローガン


憲法改悪に反対し、反安保の旗を高く掲げ、平和運動を前進させよう。

普天間基地の即時閉鎖・無条件全面返還を実現させよう。

米軍再編による辺野古新基地建設・那覇軍港の浦添移転・高江区でのヘリパット建設など新たな基地建設に反対し、基地の機能強化および自衛隊との共同使用・共同訓練に反対しよう。
朝鮮半島をはじめアジア地域に軍事的緊張をもたらすXバンドレーダー、パトリオット・ミサイルの配備に反対しよう。

キャンプ・ハンセン対テロ戦闘訓練施設における実弾演習強行を糾弾し、レンジ4での新たな実弾射撃訓練場の建設を阻止しよう。

昼夜を問わぬ、嘉手納基地、普天間基地の飛行訓練の激化を糾弾し、F22戦闘機の配備など一層の基地機能の強化に反対しよう。

米軍・自衛隊による下地島空港、与那国町祖納港をはじめとする民間空港・港湾の軍事利用に反対しよう。

テロ特措法の延長に反対し、また自衛隊のイラクからの即時撤退を求め、自衛隊の海外派兵にストップをかけよう。

有事法制の実働化を許さず、防災訓練に名を借りた住民を巻き込む自衛隊の軍事訓練に反対しよう。

駐留軍従業員の雇用対策、身分保障を図るよう運動の連携を強化しよう。

広島・長崎の悲劇を繰り返さないため、反核・反原発運動を強化しよう。

日米地位協定を抜本改定させよう。

沖縄戦をはじめとする歴史歪曲と歴史教科書改ざんを許さず、9・29県民大会を成功させよう。

一層の組織団結を図り、さらなる県民運動の創造を勝ち取ろう。

2007年9月20日
沖縄平和運動センター第16回定期総会
 



本ホームページの記載内容についての無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2005 OkinawaHeiwaUndouCenter. All rights reserved